スマートニュースが実践する、「世界に通用するチームづくり」と「良質なコミュニティづくり」の秘訣とは

スマートニュースが実践する、「世界に通用するチームづくり」と「良質なコミュニティづくり」の秘訣とは

今や世界で1,500万、日本で1,000万ダウンロードを超え、世界中で利用されているニュースアプリ「SmartNews」を運営する、スマートニュース株式会社のマーケティングディレクター 松岡 洋平さんとオフィス・コミュニティの岩崎 公子さんにお話しを伺いました。

スマートニュース株式会社 マーケティングディレクター

松岡 洋平さん
京都大学を卒業後、アーサー・D・リトルでコンサルタントを務める。その後、ライフネット生命の創業前の準備会社に転職し、マーケティング部長として同社の知名度向上に尽力。2011年にディッキーズ日本法人立ち上げに副社長として参画し、日本におけるブランド展開を主導。2014年9月、スマートニュース株式会社に入社。

スマートニュース株式会社 オフィス・コミュニティ

岩崎 公子さん
仏教学修士課程ならびに哲学修士課程を修了し、出版社に入社。IT部門にて秘書業務、人事・総務アシスタント等を経てスマートニュースに参画。

世界に通用するチーム創りとはどのように行うのか?グローバルで良質なコミュニティづくりとは一体どういうものなのか?
そして、TMIXで実際に作って頂いたオリジナルグッズ(オリジナルパーカー)がどのようにチームやコミュニティに貢献しているのかについて伺ってきました。

目次

  1. 世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける
  2. 場が取り持つコミュニケーションの秘訣
  3. 結束力で達成した一大イベント
  4. 食を通じた、良質なコミュニティづくり
  5. 徹底的に生身のユーザーを理解する
  6. 圧倒的なプロダクト思考で世界を変える

世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける

ー SmartNewsとは、どういったサービスでしょうか

松岡さん(以下、松岡): SmartNewsは、iOS/Androidに対応したニュースアプリです。
インターネットでは非常に多くのニュースが毎日作られますが、一人の人が全部見ることは出来ない。そのため、「その中で本当に話題になっているものだけをまとめて見たい」というユーザーのニーズが存在しているので、それに応えようと思い、一人の開発者(共同創業者の一人である代表取締役社長CEOの 浜本階生)が作ったサービスです。

SmartNewsの特徴というのは、非常に多くの記事の中から、「話題の記事」というのを機械(アルゴリズム)が自動的に選定し、話題度をリアルタイムで常に更新していきながら、そのニュースアプリを開けば、話題の記事がいつでも見られるというようなサービスを目指しています。日本では現在、1,000万ダウンロードを突破しています。サンフランシスコとニューヨークにオフィスがあるアメリカを中心にして世界で1,500万ダウンロード(2016/1月 時点)を超えてご利用頂いています。

場が取り持つコミュニケーションの秘訣

ー TMIXは、チームの結束力や絆を強めたり、思い出をより色濃いものにするためとしてのチームTシャツとして多くのお客様に使って頂いてますが、チームの結束力を高めるために普段から行っていることについてお聞かせてください。

岩崎さん(以下、岩崎): 当社では、何かしら全員が集まるようなイベントがあると、Tシャツ(SmartNewsのオリジナル)やパーカーをスタッフが自然と着てくれています。月に1回社外の方をお招きする定例イベントをどんどん設け、社員同士の一体感や結束力を高めていけるようにしているのですが、Tシャツやパーカーはそうした時に活躍しています。またチーム作りに関していえば、社内にNEWS STAND(ニューススタンド:厳選された雑誌や新聞をメインに、雑談や会議などが出来るコミュニティスペース)を作り、皆が自然と交差する場所を作りました。そういうところでお互いコミュニケーションをお互い取って頂き、色々なチームの人たちと理解を深めるということを普段から出来るような環境をつくっています。

厳選された雑誌や新聞が並ぶNEWS STAND

ー 確かに一体感やそういった場は重要ですよね。御社の2階にある、素敵な社員食堂も同じような目的ですか?

岩崎:そうですね!3階に最近はコーヒースタンドも出来ました。コーヒースタンドは、とても人気でちょっとした待ち時間の間に交流や一体感が生まれ、と情報交換が出来たりしています。NEWS STANDや社員食堂も含めて、社内で交流の場を提供するのは非常に重要なことだなと実感しています。

色々なチームの人たちと理解を深める

ー とても素敵ですね。社員食堂やNEWS STAND、コーヒースタンドといったスペースで新しいアイデアが日々生まれたりも?

岩崎:スタッフの半数以上はエンジニアですが、色んなスペースで本当に自由に仕事が出来るので自由な発想が生まれていると思います。普段の仕事では交わらない社員同士の交流も、重要なノイズとしての役割を果たしています。

コーヒーの良い香りが漂う人気のコーヒースタンド

ー 場所を中心にコミュニケーションを円滑にしているのですね。

岩崎:場所だけでなく、社食やコーヒーというように身体の内に摂るもの、パーカーなど着るもの、といった多面的な観点でコミュニケーションを円滑にしたり、皆の結束力を強めて行きたいと考えています。

結束力で達成した一大イベント

ー SmartNewsのオリジナルグッズを作ることになったきっかけを教えてください。

松岡:かなり初期からグッズは存在しているので、もはやきっかけは不明なのですが、エンジニアが中心の会社であるということが大きな理由だと思います。
エンジニアが社外イベントや海外のカンファレンスでいろんなお土産を持って帰ってくるのですが、色んな会社がそういうものを作っていて、それはまさに会社のアイコンであり、それがあることにより帰属意識や自分が代表しているんだという意識が芽生えてくるというところはすごく感じています。その一方で、「楽しいからやる」というノリも大切だと感じています。

ー 実際のイベントでオリジナルパーカーを着たときの反響はどうでしたか?

岩崎:自然と普段から着ていますが、やっぱり皆揃っていると見た目的にも気持ち的にもそうなんですけど、皆と一緒になれた気がして良い雰囲気がつくれているなと感じます。

松岡:対外的なイベントですと、2014年12月に広告事業「SmartNews Ads」を開始したときに、「SmartNews Compass 2014」というイベントで全員Smartnewsオリジナルパーカーを着ました。
受付のスタッフも全員同じデザインのオリジナルパーカーを着用して認識してもらえるようにしましたし、マネージャー全員が登壇した時もお揃いです。ブランディングという面でもそうですが、結束力を強めるという価値もあると思います。

SmartNews Compass 2014 に登壇したときのオリジナルパーカー

岩崎:オフィスのお披露目会や自社が主催するイベントではほとんど着用しています。

ー 作って実際に着て、周りに変化や影響はありましたか?

松岡:ミーティングのときなどにパーカーを着ているのですが、代理店の方などに「それ欲しい!」と言われることが多いですね。

食を通じた、良質なコミュニティづくり

ー ニュースだけにとどまらず、SmartNewsアプリに新たなコミュニティの場として「実況」機能をリリースされましたが、実際のユーザーからの反響や狙いなど教えてください。

松岡:3.0よりスタートした「実況」機能は、ひとりの個人的な体験からスタートしています。もともと浜本の家族がTVが好きで、TVを観ながらつぶやいたりすることが多いという実体験を聞き、そこからインスピレーションを得ています。リサーチデータでもTVを観ながらスマホをみているダブルスクリーンの人は非常に多く、TVを観るという体験を革新することもあり得ると感じています。
SmartNews自体、自分が欲しいものを創りたかった(原点は、Crowsnest (2015年7月15日サービス終了))というのがベースにあり、この「実況」機能を作り始めました。反響は徐々に出てくるかなという状況で試行錯誤している段階ですが、ユーザーの反応や実際に利用してみて、これまでにない体験になる可能性を感じていいます。

ー 今後の進化が楽しみですね。さてリアルな場である社内外では、実際にどういった内容のコミュニティ活動や取り組みを行われていますか?

松岡:ランチやNEWS STANDなどの場でそれぞれコミュニケーションが生まれるということと、エンジニアに関しては、週一回技術の勉強会がありまして、”フリースタイルゾーン”という靴を脱いで座れるオープンなスペースで、定例的に全員が参加して行っています。
ランチのうち週一回は社内のみで実施し、外部の起業家を招いてトークを聞くこともあります。その日は、普段は「寒いね」とか「明日いちご狩りがあるね」とかの雑談もあったりしますが、互いの仕事に関連した話を中心に全員でランチしています。
また、2Fのイベントスペースでアドテクノロジーやメディア、ブロガーなどのトピックを設け、イベントを開催しています。もちろん、自社が主催するだけではなく、SmartNewsが関連している団体との共催イベントという形で多様なイベントを開催しています。

社員同士のコミュニケーションを大切にしている

ー こういったコミュニティ活動を通じて、ビジネスの輪が広がっていく機会は多いのでしょうか?

松岡:もちろん結果的に広告クライアントの獲得につながったり採用活動に寄与したり、ということもありますが、そうした短期的な成果というよりは、社員が社内外の多様なコミュニティの人達と接点を持つことによって、刺激を得ることでイノベーティブなものを生み出していこうというのが主眼です。
また、ニュースを提供していく中で重要なパートナーであるメディアさんとのリレーションをしっかりと強化する意味合いもあるので、プロダクトの現状や今後の取り組みなどを共有するような機会も設けています。

ー 食を通じた、コミュニケーションを重視していると。

松岡:たとえば社食のテーブル配置ひとつとっても、「8席」単位というところにこだわりがあります。席が少なすぎると普段から仕事で接している人としか食べませんが8席あると、普段仕事をしているグループとは違う人が必ず入ってくるので、新しいコミュニケーションが生まれる。逆に席が多すぎると話題が分散して結局普段のグループの話題に落ち着いてしまう。そういったことを考えて設計をしていますが、我々自身も日々新たなコミュニケーションが生まれていることを実感しています。
また、社外の人もランチで招くことができるのですが、取引先の方などを呼んでランチをご一緒すると一気に距離が縮まるので非常に有効です。採用の観点からも、いきなり「会社に来てみない?」と言うと驚かれると思うのですが、ランチやコーヒースタンドという場があると非常に呼びやすいですね。

日々新たなコミュニケーションが生まれている社食

ー 確かに呼びやすいですね!その他、コミュニティ活動を行う上でここだけは譲れないというこだわりのポイントはありますか?

松岡:オフィス作り全体にその思想があらわれていますが、「良質なサービスは良質なものに囲まれて仕事をするなかで生まれる」という考え方で、ランチやコーヒー、新聞・雑誌などもすべてその中で提供されています。
そしてもう一つは”ノイズ”が生まれる設計になっていることです。
ノイズというのは、普段接するものとは違うものですので、時にはストレスになるかもしれませんが、ノイズの存在が異質なアイデアを紡ぎ、イノベーションが生まれていく素地になるので、コミュニティ活動においても、どのようにノイズが作り出されていくのかということを考えながら推進しています。
ワンフロアであったり間仕切りがなくゾーニング(空間を用途別に分けて配置すること)していないのもそういう理由です。

ノイズが生まれやすい、ゾーニングのないオフィスづくりを徹底

ー お話しの中で気になっていたのですが、コミュニティ活動を行う上でコミュニティマネージャーなどの担当者はいるのですか?

松岡:色んな人がオーガナイズしているので、それぞれのイベント(コミュニティ活動)というのは個々の担当が最後まで責任を持って行っています。

ー 全員が意識を持って取り組んでいるのですね。

松岡:イベントなどのコミュニティ活動が週3回程と多く、エンジニア系もあれば、アド系やメディア系もあるのでそれぞれ別の人がやっていて、その1つ1つが150人位の参加者がいたりするので個々がやらないと回せない、というのが実態でもあります。ただし、そうした活動を通じ、個々のオーガナイズ能力、マネジメント能力、コミュニケーション能力といったのものが磨かれる機会になると思っています。

ー 松岡さんご自身は、どういったコミュニティ活動を行っていますか?

松岡:私は広報も担当しているので、広報担当者のコミュニティ作りを支援するイベントなどをお手伝いしています。
新人の広報担当者は、よく分からないことが多いので横のつながりがすごく大事です。そこでどういう悩みがあるのかを共有したり、それぞれこういうネタがあるんだということを共有しあっています。

徹底的に生身のユーザーを理解する

ー 世界に通用する、チーム創りへの取り組みなどを教えてください。

松岡:現在、全体の社員数は50人弱、エンジニアは30人程になってきました。
その中で組織として、「どうやってさらにスピーディかつ精度を上げられるよう開発力を高めていくか?」という課題についてチャレンジし始めたところです。
プロダクトとしては、アプリ、Ads(広告)、ニュースといった形で最近組成し直したところです。それぞれの開発に関してプロダクトごとに連携しながらあらゆるサービスを改善し、非連続なイノベーションも見据えた大きなタイムラインも意識しながら、よりよいプロダクトを出し続けるということを大事にしたいと思っています。

もう一つは、現在日本だけでも約500万人の月間利用者がいるので、ユーザーを深く理解することが重要です。チームとして直にユーザーとコミュニケーションをとるような機会をしっかりと設けて開発に活かしていく、国内に限らずアメリカなどの海外(サンフランシスコ、ニューヨーク)にもオフィスがありますが、ユーザー自体もやはり日本とは大きく違います。
例えば、アメリカと言っても東海岸と西海岸、南部や中部とユーザーは大きく異なります。でも、それは直接現地に行ってみないと分かりません。砂漠が多く、最寄りの都市まで5時間かかるような場所もあったりと、アプリの使われ方も非常に多様です。
ですので、そうした地域ごとのユーザーの違い、生活習慣や環境も含めて実体験として理解をするためのトリップを経営者も実践します。そうした取り組みによってユーザーの理解を深め、サービス開発の課題にしっかりとフィードバックし、改善していくことが重要です。

ー 日本だけでなく、世界中のユーザーを満足させるモノづくりをチーム全体で意識して行っている訳ですね。

松岡:はい。もちろん今いるユーザーもいれば、新しいユーザーもいます。同時に満足させられるような解決策を見出すのは非常に難しいことですが、妥協せずに進めていきたいですね。

圧倒的なプロダクト思考で世界を変える

ー 今後、会社やビジネスを”どう成長させ続けていくのか”気になっている方も多いと思いますが、その点について展望などお聞かせください。

松岡:いいプロダクトづくりに尽きます。いいプロダクトづくりにはいいエンジニアが必要で、いいエンジニアがいて、いい仕事をする。これをきちんと成立させるに尽きると思います。
もう一つの要素としては、ユーザーをきちんと理解するということ。
いい仕事の場があり、良質なものを食べ、ユーザーのことを理解するという当たり前の話しなのですが、それをすごく高いレベルで提供出来ているかというのがすごく大事です。
世界的なプレーヤがニュースに取り組み始め、グローバルな市場でぶつかりあっています。
ユーザーはそうしたサービスレベルを体感しているので、規模は数百、数千分の一しかありませんが、彼らを超えるサービスを出していかなければならない。そうなると、これからいかにグローバルで通用するようなイノベーションを出し続けられるか、に尽きてきます。

例えば、エンジニアでなくても英語の学習の機会やスクールに通ったり、半年に一度海外に渡航してカンファレンスなどに参加する制度もあります。
月間500万人という数字だけをみるともうやれる余地があまりない、と感じる人もいるかもしれませんが、実際はやらなければいけないことがたくさんあり、やりたいこともたくさんあり、全く手が足りていない状況です。
もちろん人材に対する要求の水準は非常に高いですが、それを超える魅力的な課題に取り組める環境があります。難しい課題を楽しめる人材が揃っているので、同じようにそういう方がたくさん集まってくれると嬉しいです。

ー いいエンジニアとは、どういったエンジニアでしょうか?

松岡:「作る」ということに対してこだわりのある人でしょうか。自分で作りたいという気持ちもありつつも、一歩引いて他の人に作ってもらうことも含めて、最終的に作り出されるものがどれくらい価値のあるものなのかを考えながら取り組めるエンジニアではないでしょうか。

ー 最後に、SmartNewsの世界観についてお聞かせください。

松岡:我々が考える良質な情報とは何か?ということを愚直に考え続ける先に、自分達が思っている社会とかそういうものがあるのではないかと思います。
そこは、代表である鈴木や浜本の考えや志に共感して集まってきているので、皆が必然的にSmartNewsというプロダクトが好きだと。これも結構大事で、好きじゃないけど働いているということも世の中ではありえると思いますが、スマートニュースに関してはそういった人はいないです。プロダクトも毎日仕事でなくとも使うし、Tシャツも普段から着てしまう。

そうやって日常的にアプリを使っているのでエンジニアでなくともバグ報告をあげてきますし、そうした1ユーザーとしての目線を全員が持っていることも、この会社の世界観を形作る要素ではないかと思います。

ー 今日は、とてもタメになるお話しを聞かせていただき、本当にありがとうございました。

松岡、岩崎:こちらこそありがとうございました。TMIX 応援してます!

取材協力

SmartNews 株式会社
http://about.smartnews.com/ja/
松岡 洋平さん、岩崎 公子さん

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