
ダボシャツとは?祭りでの着こなし方のコツとポイントを徹底解説!

2019.04.22
地域の祭りに出かけた際などに、多くの参加者が特徴的な形をしたシャツを着ている光景を目にしたことがあるのではないでしょうか。そのシャツは、ダボっとしたシルエットからダボシャツという名で呼ばれているのですが、見たことがある人は多くいる割に、その特徴や由来、着こなし方などについてはあまり詳しく知られていないようです。そこで以下では、このダボシャツについて見ていくことにしましょう。
目次
- そもそも「ダボシャツ」って何?
- ダボシャツの特徴
- 「ダボシャツ」と「鯉口シャツ」は何が違うの?
- ダボシャツのメリットとデメリットとは
- ダボシャツの正しい着方
- ダボシャツを上手に着こなすコツとは
- ダボシャツについてのまとめ
そもそも「ダボシャツ」って何?
ダボシャツの由来とは
まず最初に、ダボシャツの由来について触れておくことにしましょう。ダボシャツを着用する場であるお祭りは、神様を祀るために行われる聖なる儀式であり、そこに参加する人々は軽装ではなく、正装を身にまとうのが一般的でした。
江戸時代では
江戸時代以前は祭りに参加するためには、格式高い服装である必要があったのですが、江戸時代になると参加者の財政状況が悪化したり、倹約が奨励されたりして、次第に簡易な正装が認められるようになっていきます。その結果として誕生したのがダボシャツであり、他に同じような由来によって生まれたものには、法被や半纏などがあります
明治時代では
明治時代になって文明開化の波が押し寄せると、ダボシャツはいったん衰退することとなります。そして、1964年の東京オリンピックや1970年の大阪万博において、日本の伝統文化として祭用品が取り上げられたことをきっかけとして、再び日の目を見るようになるのです。
それ以降は、お祭りを盛り上げる定番アイテムとして定着し、どこにいっても目にする機会が多くなったのですが、一般に普及したが故にかつては祭事の正装であったということは次第に忘れられていってしまったということです。
ダボシャツの特徴
ダボシャツの特徴は、何と言ってもその特徴的なシルエットにあります。特に、普通のシャツと比べると袖口がかなり余裕をもって作られているのが特徴で、ウエストのくびれも設けられていません。そのため、襟無し長袖のゆるいシルエットとなっています。
また、綿生地の無地の物がほとんどであり、形状と色合いによって全体的にダボっとした印象を醸し出しています。
また、かつては祭りの参加者は、男性が中心であったため、伝統的なダボシャツは男性向けに作られたものがほとんどでした。しかし現在では、女性の参加者も多くなっていることから、女性向けに少しウエストを絞ったり、お洒落な柄を用いたようなダボシャツも作られるようになってきています。
「ダボシャツ」と「鯉口シャツ」は何が違うの?
ダボシャツと似た祭用品に、鯉口シャツというものがあります。両者を混同している人も多くいるようですが、ダボシャツと鯉口シャツには明確な違いがありますので、次にその差について見ていくことにしましょう。
形状
まず、鯉口シャツというのは、文字通り、袖が鯉の口の形状のように腕の先に行くほど細くなっていくシャツです。袖の長さは七分袖となっているタイプのものが多く、ウエスト周りも細身になっているのが特徴です。そのため、基本的に袖の太さが均一で、かつウエストも絞られていないダボシャツとは、形状からして大きく違っています。
色合い
色合いについては、鯉口シャツには無地のものもありますが、多くは柄入りとなっています。この点でも、無地が基本のダボシャツとは異なっていると言えるでしょう。
サイズの選び方
男性、女性はサイズの選び方も異なっています。ダボシャツはゆとりを持って作られていることが多いため、基本的には普段自分が来ている服のサイズと同じものを選べば大丈夫です。Mサイズの服を着ることが多い人であれば、同じMサイズのダボシャツで問題ありません。
一方、鯉口シャツの場合は、細身に作られていることから、普段のサイズで選ぶと窮屈で入らないということになりかねません。そのため、身幅、胸囲、ウエスト、胴囲などのサイズを見て選ぶようにすることがポイントです。なるべくぴったりとした着こなしをすると格好がいいので、可能であれば試着をすることがお勧めです。
着こなし方
ダボシャツはそのシルエットを活かしてゆったりとした着こなし方をするのが一般的です。また、上下の色合いも同系色で揃えることが原則です。一方、鯉口シャツを着る場合は、下に股引などを合せ、裾は股引やズボンの中に入れてスッキリとしたシルエットにすることがポイントです。
ダボシャツのメリットとデメリットとは
ダボシャツにはいくつかのメリットとデメリットがありますので、次にそれらを順番に見ていくことにしましょう。
色合いを悩まずに済む
ダボシャツの場合は上下の色合いを合わせることが基本です。そのため、上下で異なる色の服を着たいというこだわりを有する人にはあまり面白みがないかもしれません。
しかしながら、全体の色合いを統一するのも、神事であるお祭りの一つの醍醐味ですので、祭りを楽しむためには色合いもその場に合ったものにするようにしましょう。色合いをあれこれ悩まずに済むというのはメリットの一つです。
吸汗性が高い
ダボシャツは、吸汗性の高い綿素材で作られているものがほとんどですので、原則として素肌の上に直に着用することが原則です。もちろん、下着は着用してよいのですが、それ以外に余計な重ね着は極力しないようにしましょう。人によっては、肌に直接シャツをまとうことに違和感があるかもしれませんが、多くの祭りは暑い時期に開催されることから、一枚切るだけでよいというのはメリットと言えるでしょう。
バランスがおかしくやりやすい
ダボシャツはゆったりとしたシルエットであるが故に、下に着るものによっては全体のバランスがおかしくなりやすいという点がデメリットです。特に、細身のズボンを合せたりすると、非常にアンバランスで違和感が生じます。
そのため、基本はダボシャツを着る場合は、同じようなゆったりしたシルエットになっているダボズボンを着用するのが原則です。
選択肢はそれほど多いわけではありませんが、せっかくのお祭りですので上下そろった着こなしにこだわりたいところです。
シャツをインしない
ダボシャツはゆったりと着ることがポイントですので、ズボンの中にシャツをインすることは厳禁です。きっちりした着こなしが好きな人には不満でありデメリットに感じるかもしれませんが、余裕を持ったシルエットを最大限に発揮するために、着こなし方にも注意するようにしましょう。
ダボシャツの正しい着方
ダボシャツは普通のシャツのように着ればよいのですが、肌の上に直接着たり、ズボンインはしなかったりといったいくつかの決まりがありますので、それらを守って正しく着ることが原則です。
加えて、ダボシャツは祭りの正装ですので、正しく着るためには小物などにもこだわりたいところです。
まず、頭には、手拭いを巻いて鉢巻にするのがお勧めです。巻き方にも色々ありますが、正面がぴーんと立たせると粋な感じが出ます。
ダボシャツ襟
出典元:rakuten.co.jp
次に、ダボシャツの襟には、これまた手拭いを使って半襟を着けるとよいでしょう。ダボシャツは無地が原則ですが、このようにして多少の柄を取り入れることは問題ありません。
また、お祭りということで、普段身に着けない小物にもこだわりたいところです。ぜひ取り入れていただきたいのは扇子と煙草入れです。扇子は暑い時期の祭りの際に実用面でもあると便利ですし、実際にたばこは吸わないという人でも煙草入れを腰に下げているだけでいなせな感じを漂わせることが可能です。
ダボシャツを上手に着こなすコツとは
最後にダボシャツを上手に着こなすコツについて見ておくことにしましょう。
素肌に着る
ダボシャツの正しい着方は、前述のとおり、素肌の上に直接着るということです。男性の場合は下に何も着用する必要はありませんが、女性の場合にはブラジャーを着けるのは問題ありません。着方は通常のシャツと同じで、袖を通してボタンを締めるというだけですが、Tシャツなどを下に着るのはNGです。
ズボンイン
次に、下半身にはダボズボンを着用することが通常ですが、こちらはポケットが前に来るように作られていますので、前後を逆にしないように気を付ける必要があります。向きさえ間違えなければ普通のズボンと同様に履くだけです。
そのうえで、ダボシャツの裾はズボンのなかに入れないというのが鉄則です。ズボンインしてしまうと、せっかくのダボシャツのゆったりとしたシルエットが台無しになってしまいますので、ズボンインはNGという点にくれぐれも注意するようにしましょう。
サイズを間違えないこと
ダボシャツは自分のサイズに合ったものか、多少ゆったりめのサイズのものを選んで着るようにしましょう。小さいものだと、ぴちぴちになってしまいせっかくのシルエットが活かせませんのでNGです。
ダボシャツについてのまとめ
以上で、普段何気なく目にしているダボシャツにも、祭りの正装という由来があるということが分かったのではないでしょうか。
併せて、正しい着方についても紹介しましたので、ダボシャツを着用してお祭りに参加する機会があれば、それらを意識するようにするとより一層お祭りの雰囲気を楽しむことができるに違いありません。