オリジナルグッズを作るときに注意したい著作権・肖像権について

オリジナルグッズを作るときに注意したい著作権・肖像権について

オリジナルグッズを作る際、「著作権」と「肖像権」をあまり気にせず創作・販売した場合、侵害となる恐れもあるので注意が必要です。 今回は、オリジナルグッズを作るときに必ず知っておくべき「著作権」と「肖像権」について説明します。加えて、侵害になるケースとならないケースなど、具体的に何をどう気をつければよいのかお伝えします。

目次

「著作権」「肖像権」とは?

まず「著作権」と「肖像権」のそれぞれを解説します。両者の違いもはっきりするでしょう。

「著作権」とは?

「著作権」とは?

著作権とは著作物(創作物)をつくった人(作者)に対して与えられる権利です。つまり著作物とは、自分の考えや表現をカタチにしたもの。例えば、小説・論文・曲・歌詞・絵画・建造物などがそれにあたります。
なぜ著作権を守る必要があるのでしょうか。それは、作者の利益の保護と文化の振興のためです。”自分がオリジナルに作ったデザインなのに、勝手に転用され商品化された”となれば、作者の創作意欲を削ぐ恐れがあり、文化的価値の濫用につながるでしょう。
また、著作権は子どもにも適用されます。幼児は自由で発想豊かです。保育園で何気に描いた作品が、大人の目からも大変すばらしく、”芸術的に価値あるもの”とされる場合があるでしょう。だからと言って、親が勝手に子の作品を商品化したとしたら……。厳密には侵害にあたります。

「肖像権」とは?

「肖像権」とは?

肖像権とは、自分の肖像(顔・容姿)を他人に勝手に撮影されたり利用されたりされない権利。写真や画像だけでなく、絵や彫刻もそれに含まれます。 個人が特定できる場合は”侵害”と判断される場合があります。特定できないとなれば、肖像権の侵害とならないでしょう。
写真を撮る場合、その人の許可があれば問題はありません。 しかし、撮影が認められたからといって、その写真を使用(サイトや紙媒体で)するとなれば話は別です。撮影だけでなく”使用が目的”であれば、あらかじめ被写体の”その人”に承諾を得ましょう。
なぜ、肖像権が守られるべきかといえば、肖像(顔・容姿)が”その人”の人権そのものだからです。肖像権の保護はプライバシーを守るため。実は、肖像権は著作権とは異なり、法律で明確に規定されていません。
とはいえ、勝手に撮影された写真がSNS上に出回ったとしたらどうでしょう。意にそぐわない画像であれば、被写体である”その人”から、名誉棄損やプライバシーの侵害として訴えられる恐れがあります。

著作権や肖像権は、日常生活の中に、意外と多く含まれています。「自分や相手を守るための権利」と理解し、物事を慎重に行う姿勢も必要です。「著作権や肖像権」を軽んじてオリジナルグッズを作るのは絶対にやめましょう。

「著作権」「肖像権」の侵害になるケースとは?

「著作権」「肖像権」の侵害になるケースとは?

この章では、「著作権」「肖像権」侵害に当てはまるケースを説明します。「これくらいは許されるだろう」と安易に思わぬよう、確認したい事項です。

無許可で原作のデザインやキャラクターを使う

デザインやキャラクターを作者(創作者)に無許可で使用した場合、それは「著作権」の侵害にあたります。例えばキャラクターを掲載したTシャツを無許可で販売するケース。 販売だけでなく、無償で不特定多数の人に配った場合も侵害となります。
「だったら、一部変えれば大丈夫だろう」と判断して、使用・販売・配布したとしてもアウト。 これは有名デザイン、有名キャラクターを問わず、です。著作者(創作者)が、「私が考えたのとそっくりだ(似ている)」とすれば、訴えられる場合もあるのです。

無許可で有名人の写真や画像を使う

「有名人は(皆に知れ渡るのを承知で活動しているのだから)使っても大丈夫だろう」という発想も危険です。有名人の写真や画像の場合、「肖像権」が大きく関係してきます。 著作権と異なり、肖像権は法律で明確に規定されていませんが、パブリシティ権やプライバシーの侵害に該当するケースもあるのです。うっかりオリジナルグッズに有名人の写真や画像を使わないようにしましょう。
では、”街中で有名人に似たイケメンを撮影してTシャツに掲載してもいい”のでしょうか。答えはお分かりですね。NOです!特定できる個人の写真や画像を使用し、ましてや商品化するとなれば……。それも、権利の侵害となります。訴訟につながる可能性もあるので注意しましょう。
同様に、プロ・アマチュア問わず、ネット上にある写真や画像を無断で使えば法律に引っかかることも考えられます。例えば、自分が撮影したわけでない有名人や有名建築物の写真です。
こうしてみると、想像以上に、思わず使ってしまいそうな被写体・事物・コトが多いことがお分かりでしょう。だからこそ、自分でオリジナルグッズを作るときは、「これは著作権・肖像権の侵害にあたらないか」と意識する必要があるのです。
※例として、キャラクターのもつ”特徴”が類似している場合は、侵害にあたると判断されます。キャラクターを商品利用する際は、さらに慎重におこなうようにしましょう。

「著作権」「肖像権」の侵害にならないケースとは?

「著作権」「肖像権」の侵害にならないケースとは?

さて、ここまで侵害にあたるケースをお伝えしました。「ほぼすべてが侵害に当たる感じで、オリジナルグッズを作るのが怖い」と思ってしまいますね。しかし、やみくもに怖がっていたら、創作や文化の発展へつながりません。 この章では、「○○は侵害にあたらない」という視点でお伝えします。これを押さえておけば大丈夫!「著作権」「肖像権」の侵害を防ぐ重要ポイントです。

”完全オリジナル”のグッズを作る

この世にたった一つの”完全”オリジナルデザイン・キャラクターなどであれば、侵害にあたりません。著作権は作者(創作者)の利益を守るためにあります。つまり、オリジナル作品をつくった人に権利は属するので、使用・販売・配布も自由。
例えば、オリジナルキーホルダーを作る場合、そのデザインが唯一無二のものであれば、誰に許可するのでもなく、簡単にネット上で販売するのも可能です。 「でも万が一、同一、同様のデザインだったら訴えられる可能性あるのでは」と心配されるでしょう。
実際裁判で「著作権侵害にあたる/あたらない判例」を確認すると、素人が見ためで判断できない場合も多いです。 オリジナルデザインを考えた場合、専門業者に頼んでグッズ制作を依頼すると、著作権侵害のリスクを減らせるかもしれません。
そこまで怖がると何も創作できなくなったしまいそうです。ただ、本当に”安心材料をそろえたい”場合は、弁護士や専門家にあらかじめ相談して、万が一に備えておくのも一手でしょう。
※ほかに、自分が撮影した写真や画像をもとにオリジナルグッズを作るのは可能です。その場合も、被写体が特定の個人でないことが条件になるので、注意が必要です。

原作デザインやキャラクターが分からないように作る

”完全オリジナル”のグッズを作るとはいえ、なかなかアイデアが浮かばない場合もあります。その際、既存のデザインやキャラクターをあくまでも”参考”として作るのは問題ないでしょう。 元のデザインのカラーを変えるだけでは侵害となります。
また、手本にするデザインやキャラクターの”特徴”(口元が非常に大きい、身体の一部が膨らんでいるなど)とよく似ている場合も同様です(類似性は「著作権」の侵害となる可能性が高い)。
「原作のデザインやキャラクターが分からないように作る」とは、原作を”参考程度”、”きっかけづくり”と捉え、「自分のオリジナリティを最大限に発揮する」意味です。それを意識して創作しましょう。

私的利用を目的に作る

個人や家族内で、オリジナルTシャツを作り、着ているのであれば問題はありません。つまり、限られた範囲内で、”個人的に楽しむ、楽しみ合えるオリジナルグッズ”であれば、侵害にあたらないのです。
ただ、これをインターネット上で公開したり、販売したりする際は、必ず「デザインのオリジナル性」を確認してください。「著作権」「肖像権」を侵害する恐れがある場合は、個人内での楽しみとして一線を引きましょう。

原作者(創作者)に認可をもらって作る

作者(創作者)の許可があれば、オリジナルグッズの作成・販売・配布も可能になります。もちろん、インターネットで紹介しても問題ありません。 また、著作権の保護期間は「作者の死後70年」が経過するまで続きます。つまり既に著作権が切れている場合は、著作権の侵害とはならないのです。
しかし、「商標権」といった権利があるので、注意が必要です。 「商標権」の”商標”とは、企業の商品やサービスに使用するマーク。このマークを使用できる権利を「商標権」といいます。
この保護期間は「著作権」と異なります。 法律では、「商標権の存続期間は、設定の登録の日から10年をもって終了する」とありました(商標法19条)。加えて「…更新登録の申請により更新することができる」とあります。つまり、更新登録の申請をすれば、続けて権利を守れるという意。
「作者が亡くなって70年たっているから自由にデザインやキャラクターを使える」と思ったら、「商標権」が生きていて、訴えられる場合もあるのです。やはり原作者(企業側)に確認し、認可を受けるプロセスは大事にしたいところです。

まとめ

まとめ

いかがでしたか。オリジナルグッズを作るときに、「著作権」と「肖像権」を理解していないと、訴訟トラブルになる恐れがあるので充分注意しましょう。

「著作権」「肖像権」の対象は国内にとどまらず海外にまで広がっています。「肖像権」の消滅に関して、以前は「作者の死後50年」でした。
それが2018年12月30日発効の環太平洋連携協定(TPP)の新協定「TPP11」により、70年に延長されました。 海外の「著作権」「肖像権」の保護についても気にした方がよいでかもしれません。その認識があれば、きっと「本当のオリジナル作品」をつくれるのではないでしょうか。
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